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2008.02.19 (Tue)

英国雑誌事情

 英国に住む友人から、雑誌「オルタナ」について、興味深い話を聞く機会がありました。英国では、オルタナのような雑誌が、一般の書店に並ぶことは、考えられないというのです。

 英国の大学で博士号を取得した友人は、かなりの読書家。難しい哲学の本から、地下鉄の駅で無料配布されているフリーペーパー「メトロ」まで読み、英語のみならず、フランス語の書籍やニュースも読んでいるという人物。

 この友人が言うには、そもそも英国都市部の書店でさえ、雑誌コーナーはスペースが狭く、その狭いスペースを占領しているのは、エンターテイメント系の雑誌。
 次に多いのが、ビジネス関連、科学技術系の雑誌で、オルタナのような環境関連の雑誌や、国際協力などの開発関連の雑誌は、ほとんどないそうです。

 英国に、環境関連、国際協力の雑誌がないわけではありません。こうした分野の雑誌は、その分野を専門にするNGOが発行していて、購入するには、NGO事務局に問い合わせなければならないのだとか。

 友人は、帰国した翌日、時差ボケにも負けず、東京の書店を午前中からチェックしました。そして、日本では、教育関係や、環境関係の雑誌が、一般の書店で入手しやすいとの印象を持ったそうです。

 「オルタナ」は、環境問題やエコロジー、企業の社会責任(CSR)など、持続可能な社会をつくっていく世の中の動きにフォーカスした雑誌です。オルタナを読んだことのある友人は、こうした日英の書店比較から、「英国では、オルタナのような雑誌が、一般の書店に並ぶことは、考えられない」という発言をしたのでした。
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もうすぐ創刊から一年を迎えるオルタナは現在、青山ブックセンター本店を含む書店やショップ9カ所で販売しています。雑誌の設置販売にご協力いただけるショップを探しています!
 普通の雑誌を手にとるように、オルタナを手に取ってもらえたら…と思います。


お近くにショップがない場合は、ウェブからの購入も可能です。

  スローウェブショップ「膳(Zen)」
  Fujisan.co.jp  (紙版) (デジタル版) (デジタル見本誌)

オルタナを読んだことのない方は、Fujisan.co.jpのデジタル版見本誌をどうぞ。そして、気に入っていただけましたら、年間購読をしていただけると嬉しいです。 → http://www.alterna.co.jp/buy.html



                                 *  *  *


 英国雑誌事情をもう一つ。

 英国発の、ホームレスの自立を助ける雑誌『ビッグイシュー』は、書店ではなく、路上でホームレスの販売員が販売する雑誌です。そのビジネスモデルは、2003年に日本上陸。雑誌『ビッグイシュー日本版』として、日本の路上で販売をスタートしています。(私も記事を書いてます)

 ホームレスが140円で仕入れた雑誌を、300円で売り、差額の160円が彼らの収入になるというしくみです。

 英国でビッグイシューを購入していた友人によると、英国では、「他人にお金を与える事は、紳士のマナーに反する」という考えが強く、ホームレスにお金を与えることは、「金銭管理が出来ない証拠」と見なされてしまうそうです。

 したがって、ホームレス問題についても、チャリティ(慈善活動)ではなく、“ビジネス”(経済活動の一環として成立するしくみ)として、ホームレスの自立を促す必要が求められるのだとか。

 以前私が、ビッグイシューの創設者である、ジョン・バードさんを取材した際、「慈善事業のような「与える行為」は、与えられた者にとっては自立の機会を奪われる行為でもある」とコメントされていたことを思い出しました。

「施しではなく『自立の機会』を」
――『ビッグイシュー』、ホームレス支援の16年 創業者ジョン・バード インタビュー
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【写真】左が英国で販売されているビッグイシュー。表紙は、化粧品の専門店「ザ・ボディショップ」の創業者、アニータ・ロディックさん。夫の、ゴードン・ロディックさんと共に、ビッグイシューの創設に深く関わった。この号は、2007年9月に亡くなったアニータさんを追悼する特集が組まれ、雑誌のタイトルが、「The Anita Issue」となっている。右は、ビッグイシュー日本版。
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2008.02.14 (Thu)

オーガニックEXPO記者発表

 オーガニック商品の展覧会、「BioFach(ビオファ)オーガニックEXPO」の記者発表に行ってきました。オーガニックEXPOは、日本で唯一、「オーガニック」に特化した見本市で、母体はドイツの「BioFach ニュルンベルグ」。現在では、ドイツ、日本以外に、中国、米国、ラテンアメリカでも同様の見本市が開催されているそうです。
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「オーガニック」(有機)とは、種まきの2年以上前から原則的に無農薬・無化学肥料で、栽培も原則的に無農薬・無化学肥料でおこなう農法のこと。こうした農法で作られるものは、食物だけでなく、コットンなどの衣料品、化粧品などにまで及びます。

 なぜ、オーガニックに注目するのかというと、無農薬・無化学肥料で栽培されるため、持続可能な農業が可能であり、生産に従事する労働者にとっても、農薬の散布で皮膚がただれるなどの健康被害を軽減することができるからです。特に、一般のコットン(綿)は、地球上の農産物のなかで、最も農薬が使用されている作物の一つで、オーガニックコットンの需要を増やすことで、労働者の健康被害と環境被害を改善していくことにつながります。

 昨年、ビッグサイトで開催されたオーガニックEXPOには、19カ国から208社・団体が参加しました。出展の3分の2が食品で、残りが衣料品や化粧品だったそうです。

 「日本人は有機食品を食べないわけではないが、価格が高いため、手が届かない。よって、商売にするのは難しい」とコメントしたのは、「ニュルンベルグ グローバルフェアーズ」日本支部代表のハインツ W.クールマン氏。
 しかし、有機化粧品は伸びていくだろうと言います。その理由は、化粧品は多少高くても、食品のように購入を躊躇する理由にはならないからだそうです。確かに、化粧品は安いものから高いものまで、価格の差が大きいです。しかし、安いものばかりが売れるかというと、そうではありません。高額であることは販売の障害になっていないようです。

 日本は有機農業推進法の施行から2年目に突入。有機農業関連予算は、昨年の10倍の5億円に増加しました。日本の有機農業の耕地面積は、0.16%とわずか。最も多いスイスは10.9%、近隣の韓国が2.01%、中国は0.41%、米国は0.5%です。今後、北海道など14都道県で、有機農家の増加、技術開発や普及活動が進められます。

 ハード面の整備だけでなく、消費者や流通業者が、オーガニック商品を理解することも促進にはかかせません。

 2008年のオーガニックEXPOは、9月24日(水)から26日(金)まで、ビッグサイトで開催されます。24日、25日は、ビジネス関係者が対象ですが、最終日の26日(金)は、一般の方が対象です。これから店頭に並ぶオーガニック商品を、一足早く、見て、触って、味わうチャンスです。会場には、オーガニックワインの試飲もあるそうです。

BioFach JAPAN
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2008.02.12 (Tue)

映画『ファースト・フード・ネーション』

 映画『ファースト・フード・ネーション』 の試写会に行ってきました。副題は、「世の中には 知らないほうが幸せなことが たくさんあるんだよ 」です。なんと、意味深なタイトルなんでしょう。(笑)
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ストーリーは、利益追及を第一とする架空のハンバーガー・チェーン「ミッキーズ」と、下請けの精肉工場の劣悪な労働環境で働くメキシコからの不法移民労働者、ミッキーズの店舗でアルバイトをしている大学生の3者の視点で、ファーストフード業界の裏側を描いたもの。

 “牛肉パティへの大腸菌混入”という疑惑を調査するため、ミッキーズのマーケティング部長が、汚染源の疑いのある食肉工場(移民労働者の働く先)、ミッキーズ・コーディ店(大学生のバイト先)を調査するところから物語は始まります。

 生産スピードを重視するあまり、おろそかになる「食の安全性」や、格安のハンバーガーを実現するために雇われる移民やバイトから見えてくる「格差社会」など、ファーストフード業界の内幕を暴くリアルな内容のオンパレードです。

 本物そっくりの“バーベキュー”の香りが開発されているミッキーズの研究室、精肉工場の稼働スピードに従業員の作業が追い付かず、「血や糞便が肉に混入することは日常茶飯事」という告白、工場の機械で足を切断されてしまう労働者…など、「知らないほうが幸せなこと」が描かれています。

 映画はフィクションですが、原作はエリック・シュローサーのルポタージュ『ファストフードが世界を食いつくす』(草思社)です。


世界20カ国で140万部以上売れたベストセラー(日本では10万部を突破)で、映画で描かれている“パティへの大腸菌の混入”(牛のフンがパティに混じっていること)は、9章「肉の中身」で言及されています。

 これほど衝撃的な書籍の内容に対して、ファーストフード業界は、一件の訴訟も起こさなかったそうです。シュローサーの調査が、いかに正確だったのかを物語っています。

 リチャード・レンクレイター監督はファーストフードについて、「肉を食べるのなら、その肉がどこからきたのか知っておくべき」「みんながいかに(香料などに)操作されているのかに気が付いてほしい」とコメントし、さらに、「自分の食物連鎖に関係している人々について考えてほしい」とも話しています。

  
ファースト・フード・ネーションは、2月16日よりユーロスペースにてレイトショー他全国順次公開の予定です。 
http://www.fastfoodnation.net/


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