2008.08.06 (Wed)
キューバの小学生と「広島」と「禎子」
8月6日の原爆の日になると、私はキューバを思い出す。どうして、原爆とキューバなのかというと、2004年にキューバを訪問したときの私の体験にさかのぼることになる。

キューバの環境教育について調べるため、サンタクララにある、ラスビラス中央大学を訪問し、第三回21世紀インターナショナル環境科学会議に参加した。キューバだけでなく、南米を中心にスペイン、米国からの参加者が、研究発表を行っていて、私は主に、キューバの研究者の発表を中心に聞き、教育システムについて情報を集めていた。
キューバらしく、ランチタイムには生演奏が聞けてしまうという、素晴らしさ!よく、キューバの街を歩いていると、そこらじゅうから、演奏が聞こえてくると言われているが、本当にそうだった。

そんなか、同大学で美術史を教えているホセ・エンジェル・アギレラさんが、地元の小学生を数人連れてきていた。アギレラさんは、ボランティアで子どもたちに環境教育を教えていて、小学生らは彼の教え子だった。
アギレラさんが私を小学生に紹介したときのこと。
「みんな、この人はね、日本から来たんだよ」と子どもたちに紹介すると、
子どもの一人が
「サダコ」
とアギレラさんと私の顔を見ながら言うのだ。
私は驚いた。
「サダコって、広島の原爆に被爆して、白血病で12才で亡くなった禎子のこと・・・ですよね?」
とアギレラさんに聞くと、
そうだという。
アギレラさんが子どもたちにスペイン語で何かを説明すると、今度は、「ヒロシマ」という言葉が、子どもたちから飛び出した。

まさか、キューバで、「ヒロシマ」や「サダコ」という言葉を耳にするとは思ってもいなかった。
アギレラさんによると、環境教育では、粘土や折り紙を使って、動物について教えることがあり、折り紙で動物を折りながら、「この動物はね~」と動物の特徴を教えていくのだという。
そして、折り紙といえば、日本の文化。日本の歴史についても話すそうだ。そのなかには、広島、長崎の話も含まれ、禎子の話もこうした機会に、子どもたちに話したということだった。
彼女たちにとって私は、初めて目にする日本人だったらしい。
だからなのか、アギレラさんから日本から来たと紹介されて、思わず「サダコ」と口に出てしまったのだろうか?
そこまで、サダコやヒロシマの話が、子どもたちの心に根付いているということなのだろうか。

ヒロシマの原爆ドーム
その日は、小学生が環境会議で発表することにもなっていて、TV局の取材も来ていた。

ステージでの発表以外に、折り紙のデモンストレーションも行われた。ただ、使われた紙は、私たちが使うような折り紙ではなく、B4サイズくらいの紙を、正方形に切って使っていたような記憶がある。
とにかく、子どもたちは、そこで船やら箱を折った。そして、最後にアギレラさんが、「自分が作ったものを、ここに集まっている人の誰でもいいから、プレゼントしましょう」と言った。
すると、全員が私のところに、彼らが折った船やら、小物入れ風の箱を渡しにきたのだ。
確か、キューバは資源不足で、紙は貴重な資源であるはず。
私がいただいてしまって、いいのでしょうか・・・
という気持ちでいっぱいだった。
その前の会話で、サダコやヒロシマのことに触れたからだったかもしれないし、会議に参加している唯一のアジア人だったということもあって、興味があったのかもしれないが、素直に喜んだ。
あれから4年。今だに、いただいた作品は大事にとってある。
また、広島の原爆の残り火を、キューバに届けたというニュースも最近読んだ。
また一つ、キューバとヒロシマを結びつけるものが増えた。
チェ・ゲバラの原爆惨禍へのこだわりと広島への思い
テレメンタリー2007『炎の記憶~原爆の残り火をキューバへ~』
炎の記憶 ~原爆の残り火をキューバへ~(全部で7回に分けてアップされています)
普段見れないようなキューバ映画の3本立てや、キューバ大使館参事官のお話し、
ダンス、音楽ライブ、交流会と楽しいイベントが盛りだくさんです!
ご家族、お友だちをお誘いの上、遊びに来て下さい。
--------------以下、転送大歓迎!!----------------------------
8月10日(日)10時~18時
「キューバ 医療 教育 農業 展」
関連イベント第2弾!! 【スペシャル公演】
内容:
◇【10時~14時 キューバ映画3本立て上映+講演会】
場所:JICA横浜 2階 海外移住資料館内 ガイダンスホール
http://www.jica.go.jp/yokohama/
(1)映画上映
・Hacerse el sueco(スウェーデン人になって)
ロシアのマフィアに追われてハバナに逃げてきたスウェーデン人男性は
最初は同じ外国人から盗みを働き生計を立てますが、盗みの行為は
やがて地元の人々にも及んでいきます。そして・・・
・Miel para Oshun
エキセントリックなタクシードライバーが彼を捨てたであろう母をキューバに
探しに行き、臨死体験をしたり、彼の変わった性格がクローズアップされた
ユーモラスなお話しです。
・La edad de la peseta
edad de la pestaとは、キューバで7~11歳までの青春期前を指す言葉です。
子どもの成長のお話しだそうです。
この作品は、Toronto international Film Festivalで上映されました。
(2)キューバ大使館のアンドレス・ゴンザレス・バジェステル参事官の講演
◇【14時~17時30分 交流会】
場所:JICA横浜 3階 食堂テラス
(1)14時~14時30分
Afrochicas、輪神 ―WAJIN―によるダンス
横浜を中心に活動している2グループです。
(2)15時~15時45分
港町ボレロのライブ
(3)15時45分以降
パーティー
バイキング軽食、キューバのカクテル“モヒート”を500円で販売
※パーティー参加費はカンパ制(1,000円から)となっています。
--------------転送ここまで-----------------------------

キューバの環境教育について調べるため、サンタクララにある、ラスビラス中央大学を訪問し、第三回21世紀インターナショナル環境科学会議に参加した。キューバだけでなく、南米を中心にスペイン、米国からの参加者が、研究発表を行っていて、私は主に、キューバの研究者の発表を中心に聞き、教育システムについて情報を集めていた。
キューバらしく、ランチタイムには生演奏が聞けてしまうという、素晴らしさ!よく、キューバの街を歩いていると、そこらじゅうから、演奏が聞こえてくると言われているが、本当にそうだった。

そんなか、同大学で美術史を教えているホセ・エンジェル・アギレラさんが、地元の小学生を数人連れてきていた。アギレラさんは、ボランティアで子どもたちに環境教育を教えていて、小学生らは彼の教え子だった。
アギレラさんが私を小学生に紹介したときのこと。
「みんな、この人はね、日本から来たんだよ」と子どもたちに紹介すると、
子どもの一人が
「サダコ」
とアギレラさんと私の顔を見ながら言うのだ。
私は驚いた。
「サダコって、広島の原爆に被爆して、白血病で12才で亡くなった禎子のこと・・・ですよね?」
とアギレラさんに聞くと、
そうだという。
アギレラさんが子どもたちにスペイン語で何かを説明すると、今度は、「ヒロシマ」という言葉が、子どもたちから飛び出した。

まさか、キューバで、「ヒロシマ」や「サダコ」という言葉を耳にするとは思ってもいなかった。
アギレラさんによると、環境教育では、粘土や折り紙を使って、動物について教えることがあり、折り紙で動物を折りながら、「この動物はね~」と動物の特徴を教えていくのだという。
そして、折り紙といえば、日本の文化。日本の歴史についても話すそうだ。そのなかには、広島、長崎の話も含まれ、禎子の話もこうした機会に、子どもたちに話したということだった。
彼女たちにとって私は、初めて目にする日本人だったらしい。
だからなのか、アギレラさんから日本から来たと紹介されて、思わず「サダコ」と口に出てしまったのだろうか?
そこまで、サダコやヒロシマの話が、子どもたちの心に根付いているということなのだろうか。

ヒロシマの原爆ドーム
その日は、小学生が環境会議で発表することにもなっていて、TV局の取材も来ていた。

ステージでの発表以外に、折り紙のデモンストレーションも行われた。ただ、使われた紙は、私たちが使うような折り紙ではなく、B4サイズくらいの紙を、正方形に切って使っていたような記憶がある。
とにかく、子どもたちは、そこで船やら箱を折った。そして、最後にアギレラさんが、「自分が作ったものを、ここに集まっている人の誰でもいいから、プレゼントしましょう」と言った。
すると、全員が私のところに、彼らが折った船やら、小物入れ風の箱を渡しにきたのだ。
確か、キューバは資源不足で、紙は貴重な資源であるはず。
私がいただいてしまって、いいのでしょうか・・・
という気持ちでいっぱいだった。
その前の会話で、サダコやヒロシマのことに触れたからだったかもしれないし、会議に参加している唯一のアジア人だったということもあって、興味があったのかもしれないが、素直に喜んだ。
あれから4年。今だに、いただいた作品は大事にとってある。
また、広島の原爆の残り火を、キューバに届けたというニュースも最近読んだ。
また一つ、キューバとヒロシマを結びつけるものが増えた。
チェ・ゲバラの原爆惨禍へのこだわりと広島への思い
テレメンタリー2007『炎の記憶~原爆の残り火をキューバへ~』
炎の記憶 ~原爆の残り火をキューバへ~(全部で7回に分けてアップされています)
普段見れないようなキューバ映画の3本立てや、キューバ大使館参事官のお話し、
ダンス、音楽ライブ、交流会と楽しいイベントが盛りだくさんです!
ご家族、お友だちをお誘いの上、遊びに来て下さい。
--------------以下、転送大歓迎!!----------------------------
8月10日(日)10時~18時
「キューバ 医療 教育 農業 展」
関連イベント第2弾!! 【スペシャル公演】
内容:
◇【10時~14時 キューバ映画3本立て上映+講演会】
場所:JICA横浜 2階 海外移住資料館内 ガイダンスホール
http://www.jica.go.jp/yokohama/
(1)映画上映
・Hacerse el sueco(スウェーデン人になって)
ロシアのマフィアに追われてハバナに逃げてきたスウェーデン人男性は
最初は同じ外国人から盗みを働き生計を立てますが、盗みの行為は
やがて地元の人々にも及んでいきます。そして・・・
・Miel para Oshun
エキセントリックなタクシードライバーが彼を捨てたであろう母をキューバに
探しに行き、臨死体験をしたり、彼の変わった性格がクローズアップされた
ユーモラスなお話しです。
・La edad de la peseta
edad de la pestaとは、キューバで7~11歳までの青春期前を指す言葉です。
子どもの成長のお話しだそうです。
この作品は、Toronto international Film Festivalで上映されました。
(2)キューバ大使館のアンドレス・ゴンザレス・バジェステル参事官の講演
◇【14時~17時30分 交流会】
場所:JICA横浜 3階 食堂テラス
(1)14時~14時30分
Afrochicas、輪神 ―WAJIN―によるダンス
横浜を中心に活動している2グループです。
(2)15時~15時45分
港町ボレロのライブ
(3)15時45分以降
パーティー
バイキング軽食、キューバのカクテル“モヒート”を500円で販売
※パーティー参加費はカンパ制(1,000円から)となっています。
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