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2008.06.06 (Fri)

レスター・ブラウン講演会

来日中のレスター・ブラウンさんの講演会に行ってきました。
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「穀物の争奪戦が食卓を襲う!」をテーマに、アースポリシー研究所所長のブラウンさん、農林中金総合研究所のルアン・ウェイさん、東京農工大学の山田祐彰さんが議論しました。
平日の昼間の講演会だというのに、すごい人でした。ざっと見たところ、スーツ姿の男性(50代前後)が最も多かったような気がします。食品、農業、環境関連の方でしょうか? 会場では、同じくフリーのライターの知り合いにばったり会いました。また、greenz.jpのメンバーとも遭遇しました。

さて、講演の内容です。

ブラウンさんによると、これまでの食料不足というのは、一時的な問題であり、その時々の状況によって引き起こされていましたが、現在の食料問題は全く別物だといいます。慢性的である点が違うのだそうです。慢性的な状況とは以下の3つ。

1)世界人口が、年間7000万人のペースで増加する
2)40億人が豊かな食生活を求めるようになる
3)穀物がバイオエタノールなどの燃料に消費される

こうした状況を背景に、食料の供給は追い付いていないと指摘。特に問題なのが以下の4点。

1)水不足

例えば、ヒマラヤの氷河を水源とする黄河、揚子江、長江、ガンジス川は、氷河が溶けてしまうと、雨期にしか水が流れない川になってしまう。そうなると、灌漑用水が不足し、深刻な水不足になります。

2)土壌汚染・侵食
3)気候変動(1度気温が上がると、生産性は10%低下)
4)農業にとって、突破口となる革新的な技術がない

こうした状況に対して、ブラウンさんは、「プランB」として、いくつかの解決策を提案しています。
(「プランB」とは英語で、代替案、プランAがダメならプランBでいこう!という第二の手段という意味です)

その一つは、2020年までに80%の二酸化炭素を削減すること。
そのためには、エネルギー供給のシステムを変える必要があり、具体的には、最新のテクノロジーを使うこと、風力・地熱・波力などの自然エネルギー(再生可能エネルギー)を活用することなどを挙げました。(雑誌「POWER BALL」12号(最新号)はエネルギー特集です。「天ぷら油でコミュニティバスを走らせる!」を書いています。ぜひ読んでくださいね!)

最新のテクノロジーというと、すごく手の届かないことのように思われがちですが、ブラウンさんは、白熱灯から蛍光灯に替えることもその一つだと、言われていました。

自然エネルギーについては、石油産出州であるテキサス州の取り組みを紹介。現在テキサス州は、風力で秀でる州で、風力に投資しています。投資家の一人、ブーン・ピケンズ氏は、米石油事業家として米著名投資家として有名ですが、

石油の産出、売上の曲線は下がっている。下降曲線を見るのに飽き飽きした。風力は地球が存在する限り存続する


とコメントしているそうです。

アイスランドでは、地熱からのエネルギーに90%を変えたとか。日本の温泉や火山を利用して、地熱エネルギーを活用しては、と言われていました。

こうしたブラウンさんの「プランB」ですが、米国には、「プランBチーム」なるものがあり、最低でも5冊購入して、他の人に渡す活動をしているそうです。今回、書籍「プランB3.0」が発売になりますが、前作の「プランB2.0」では、約16000人の個人がプランBチームに参加し、企業のトップや大統領、政治家に配布したそうです。
ちなみに、CNN創業者であるテッド・ターナーさんは、3500部購入し、世界中にもっている人脈をつかって配ったそうです。

日本にも、同じような活動をするチームがあるとのこと。フルネームは分かりませんが、クロサワさんという方と、環境ジャーナリストの村田佳壽子さんが支援しているそうで、こうした活動によって、7月末には、TVの特集で紹介されるそうです。そういえば、会場にはたくさんのTVカメラが入っていました。実際にレスター・ブラウンの特集を放送するのが、どこの局なのか確認できませんでしたので、ご存じの方からの情報提供お待ちしております!

ブラウンさんの発言の一つ、日本の果たすべき役割が印象的でした。日本の小規模農家のノウハウが、途上国に役立つという指摘でした。米国は大規模農業ですから、確かにそれはそれで効率的なのですが、途上国にとってはそのまま役立てることができない。一方で、日本の小規模農家のやり方なら、途上国の農業にも適応しやすいのでは・・・とのことです。

ブラジルの農業問題に詳しい山田さんは、「アマゾンの森林危機よりも、セラード林のほうが早く破滅してしまうのでは」と言われていたのが記憶に残っています。セラード林とは、元々灌木地帯だったところで、森林が育たない林のことだそうです。アマゾンの影に隠れて、あまり知られていないと指摘されていました。また、私たちができることとして、「責任を持った消費者に」とも発言されていました。持続可能な森林管理がされている森林認証(例えば「FSC認証」)のあるところから購入するなどし、自然の恩恵をうけつつ、自然を失うことのないようなシステムに裏付けされたものを選択することだと言われました。

最後に、ブラウンさんの言葉を紹介します。

食料危機や地球温暖化の問題は、「文明が存在できるかどうか」問われている問題とも言い換えられる。私たちは、スポーツ観戦をする側ではなく、プレイする側にいるのだ。





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