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2008.04.29 (Tue)

パタゴニアのフットプリント・クロニクル

 「フットプリント・クロニクル」という言葉を聞いたことがありますか? アウトドア衣料メーカー・パタゴニアの取り組みの一つで、パタゴニアの製品が、原料から製品になるまでの、一着あたりの①移動距離、②エネルギー消費量、③CO2排出量、④廃棄物量の4つの環境課題を追跡したものです。現在、ウェブで情報公開をしています。

 鎌倉のパタゴニア日本本社で行われた“Speaker Series”(スピーカー・シリーズ)で、米国本社の環境担当者の話を聞いてきました。
footprint.jpg
「フットプリント・クロニクル」のウェブサイトでは、世界地図の上を、製品が完成するまでの道のりを示しながら、エネルギー消費量などの情報を知ることができるようになっています。(写真はパタゴニアサイトより引用)

日本語のサイトでは、5製品が紹介されていて、そのうちの主要素材に焦点を絞って追跡しています。





シンチラ・ベストをクリックしてみると、以下の情報が表示されます。

①移動距離
8288キロ。サンフランシスコから東京に移動する距離に相当.

②エネルギー消費量
58メガジュール。18ワットの小型蛍光電球を24時間×37日間、つけっぱなしにして消費されるエネルギー量に相当。

③CO2排出量
13キログラム。シンチラ・ベストの44倍の重さに相当。

④廃棄物量
105グラム。シンチラ・ベストの3分の1以上の重さに相当。

どの数値も、身近なものに置き換えて、「~相当」と説明があるので、実感しやすいですね。これ、とても重要だと思います。



フットプリント・クロニクルは、2007年9月に米国のパタゴニアサイトで発表され、2週間後に、日本のサイトでも発表されました。
米国のサイトには現在、10製品が掲載されています。日本のサイトは今のところ5製品ですが、5月下旬には10製品になるとのことです。(フランス語サイトは5月下旬に公開予定だとか)

こうした情報をショップで見ることができるかお聞きしたところ、現在はウェブ上だけであり、サイトを印刷したポスターを店内に貼ったり、将来的には、パソコンを一台設置することも出来たら、と話されていました。

実際に買い物をする際、製品ができるまでの環境負荷を比較して、“コレ!”と思う一着を選べたら、と思うのですが、今のところ、全てのパタゴニア製品がフットプリント・クロニクルで紹介されているわけではなく、また、他のアウトドア衣料メーカーが同じように情報を開示しているかというと、そうではないので、比較は難しいと。
ただし、情報公開を「している・していない」という視点では、比較することはできると言われていました。

確かにそうですよね。
野菜でも、どこで作られて、どの輸送ルートを回り、売り場にたどり着いたのか情報開示がされているものと、その過程が非開示だったり、一部だけが開示されているものでは、野菜に対する信頼性に差が出てきます。

シンチラベストが完成するまでのサプライチェーンの流れは、世界地図上の矢印の流れで理解できるようになっています。各ポイントをクリックすると、写真が表示されます。
どの製品も、矢印の始点は、原材料の原産地で始まっていて、最終的地点は、米国ネバタ州リノにある、パタゴニア配送センターになっています。

こうした情報開示の目的はなんでしょうか?

環境分析ディレクターのジルさんは、目的は2つあると言います。
一つは、会社の外の人(消費者)に、サプライチェーンについて理解を深めてもらうこと。
実は、パタゴニアは、CSRレポートを作成しようと考え、試作品を作ったことがあるそうです。しかし、出来上がったレポートを見て、しっくりこなかったそうです。どうも、パタゴニアらしくないと。そこで、代わりにウェブを活用して、情報を発信していくことにしたとのことでした。
二つ目の目的は、社内的なもので、社員にも、サプライチェーンについて理解を深めてもらうことだと言われていました。

実際、フットプリント・クロニクルのサイトを見てください。
説明を読んだり聞いたりする以上に、地図と連動したこのとりくみは、見る人に、リアリティをもって、製品のサプライチェーンの流れを教えてくれます。

製品を分析してみると、おもしろいことが分かったと言います。
それは、思ったよりも輸送にかかるエネルギーが少ないということでした。全体のエネルギー消費量の1%未満でしかないそうで、輸送距離の短縮に努力するよりは、製品製造過程での省エネをがんばったほうが、無駄なエネルギーを削減できる、という発見があったそうです。

各製品の分析から分かった、「良い点」「悪い点」「私たちの考え」もウェブサイトに載っています。
良いことばかりでなく、率直に改善すべき点を私たちに語ってくれている姿勢に、「一緒にもっといい方法を考えましょう」呼びかけてられている気がしてきます。
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